年々重要度が増すインターンシップ
一昔前まで、良い仕事を得る秘訣は「経験を積むこと」でした。しかし近年、海外では「インターンシップ」に置き換わろうとしています。
アメリカの大学など高等教育機関が集まって組織された団体、The Association of American Colleges and Universitiesの調査では、実際に就職活動を行ったアメリカの学生で、学校の成績表が就職活動に役立ったと感じているのは、わずか30%程度にとどまるそうです。
一方で全体の2/3が、インターンシップの評価が実際の就職活動に役立ったと回答しています。インターンシップを行ったら、その評価表の写しは大事に保管しておく方が良さそうです。
同じインターンシップでも分野によって差が出る
インターンシップで特に重要となるのは、科学と科学技術の分野、それに国際色の高いインターンシップです。この3つに関しては、就職活動で他の学生に差をつけるチャンスとなります。なぜなら教育機関にもっとこの分野での教育を強化して欲しいと願っている雇用者は70~82%にも上るからです。
また、インターンシップは、就職に繋がる糸口を作ったり、貴重な就労経験を得たりする以外に、自分が本当に働きたい仕事を見定める良い機会となります。今まで学んできたことと、新しい経験が重なって、インターンシップのあとに当初とは違った自分のキャリアを求める学生も少なくありません。あるいは、分野そのものを変えてしまう学生もいるくらいです。
田舎を出て違う街で働きたいと考えている学生も、実際に知らない土地で就職活動を行うよりは、先にインターンシップをしておく方がスムーズになります。インターンシップは学生にとっても重要ですが、雇用側にとっても、優秀な新人を募集するツールとして重要になってきています。
数字で見るインターンシップ
近年の不景気で、インターンシップ枠は少なくなってきているようですが、それでもインターンシップの重要性は増す一方です。2007年から2008年の新卒内定者のうち35%は内定先のインターンを経験しているというThe National Association of Colleges and Employersの調査結果もあります。
2009年3月に発表された新しい調査結果では、雇用側がインターンを実際に常勤で雇う例が増えてきているようです。2007年から2008年に行われたインターンシップで、実際に就職できる可能性があったものは平均で67.7%で、5人のうち4人がそのままその企業で就職する道を選んでいます。この割合は、調査開始の2001年以来最高の割合だそうです。
また、この調査結果によると、ほとんどのインターンシップで給料の支払が行われているようです。平均的な時給は17.13ドル(およそ1500円)になるそうで、分野によって開きがあると言います。
Give Us an 'I' - for Intern