もっと有給インターンのチャンスを
不況の影響もあり、有給のインターンシップは減少傾向にあります。同時に、無給のインターンシップに就く余裕の無い学生は年々増加しています。
エヴィン・アドルフさんは、憧れのインターンシップを手に入れたばかりです。彼女がインターンとして雇われたのは、コーネル獣医大学の、動物の健康診断を行う機関です。
しかし、唯一の難点といえば、給料が支払われない、無給のインターンシップであることでした。そこで彼女は職業指導センターの夏のインターンシップ基金へ応募します。その結果彼女は2500ドルを手に入れました。
職業指導センターが、彼女の経験を買って、支払う価値があると判断したのです。実は彼女、給料なしでは、このインターンシップを続けることができませんでした。
不景気の就職難で少しでも周りと差を付けようとインターンシップに励む学生は大勢います。しかしその多くが、エヴィンさんと同じ状況に置かれています。憧れのキャリアに繋がるインターンシップを諦めて、アルバイトをしなければいけない学生も珍しくありません。
ハミルトン・カレッジの試み
ハミルトン・カレッジには、そんな経済的な問題を抱える学生を支援するシステムがあります。
1月27日、大学の「the Diversity and Social Justice Project(多様性と社会正義プロジェクト)」では、6人の学生が自分たちの夏のインターンシップ経験について話す機会が設けられました。彼らはハミルトン・カレッジの基金でインターンシップを経験した学生たちです。
この基金は、社会事業、社会科学調査、科学調査、独創的なプロジェクト、臨床インターン、無償インターンなどを対象に、2500~4000ドルを個人に支給します。この金額は、夏に通常通り働いた場合の給料とほとんど同額です。
ふたりの学生は、夏に経験したインターンや調査活動が、人生で一番説得力があり、達成感があったと話しています。その学生のひとり、ロビン・ギブソンは、「調査にはスキルが不可欠。基金はアフリカ研究に関する調査スキルの腕を上げる好機を与えてくれた。教授から細かく注意してもらえたから」と語っています。
もう1人、ヴァレリー・ヴァラントという名の卒業を控えた学生は、臨床インターンシップを通じて、医療に携わるものとして必要な忍耐を教わったと語っています。
この基金の競争率はとても激しいのですが、同校のナンシー・ラビノビッツ教授は学生に応募するよう勧めているといいます。必要条件は申し込みする内容によって様々で、調査に関する支給を受けたいのであれば、基金を得てからの自分の計画を練っておく必要があるそうです。
あらかじめ調査にある程度着手していたり、専門家から学術的な意見を得たり、あるいは自分の研究に協力してもらえば、自分の研究テーマを絞ることができます。そうすることで、自分の計画も鋭利になり、アピールもできるというわけです。
基金によって、無給のインターンを有給にできるかは、偏に、学生がどれだけ前もって自分の研究に直向になれるかにかかっているようです。
Getting Paid for an Unpaid Internship