最近の就職活動事情
「何を知っているかじゃない。誰を知っているかだよ。」
知識よりも人脈を問われる社会でよくつぶやかれる言葉です。不景気真っ只中の就職活動となれば、余計にこの傾向は強くなるかもしれません。
TwitterやFacebookのようなソーシャルネットワーキングサービスが、就職活動の重要なツールになる日はすでに訪れているようです。就職活動に関するTwitterのつぶやきというと、何の変哲もない日常の就職活動の日記を連想する人が多いかもしれません。しかし、今では少し様子が違います。
Twitterには、求職中の大学生のユーザーが大勢います。一方で、就職支援のアドバイスを積極的に行う専門家も多いのです。また企業の多くも、ソーシャルネットワーキングサービスを重要な人材開発のツールとして捉え始めています。
アナベルさんの体験談
昨年5月、アナベル・ブラウンさんは、138文字のつぶやきをTwitterに投稿しました。アナベルさんは25歳で、卒業を翌年に控えたオーストラリアの大学生でした。インターンシップを行っていた彼女は、まわりに138文字の簡略化されたメッセージで、自分のキャリアについて意見を求めたのです。
彼女に返答してくれたのは、インターンシップ先の経理担当者でした。チャットで相談に乗ってくれたその人は、悩んでいるだけでなく、業界の人間と積極的に話すように努め、彼らにアドバイスを求めるようにと、就職活動を後押ししてくれたそうです。
「私たち求職中の学生が、ソーシャルネットワーク上で、直に誰かから助言を受けたり、勇気づけられることなんてなかった。でも、もしこんな風に、ここでビジネスのコミュニケーションが積極的に行われていたのなら、就職活動で私が一番必要としていた場所はここということになるわ。」
その後アナベルさんはインターンから、見事正規雇用社員の座を獲得しました。お互い顔も知らない他人同士が、インターネットのサービスを通じて知り合い、そこからビジネスチャンスが生まれる、そんな時代がすでに訪れているのかもしれません。
Twitterで実際に行われている就職支援
ベルナデッタ・リッツィさんは、政府支援のもと運営されているキャリア・アドバイス・サービスという組織でキャリアコーチとして働いています。彼女はソーシャルネットワーキングサービスを使って、実際に求職中の学生の支援をしていると言います。
「TwitterやFacebookのサービスを使って、求職中の学生たちの就職活動の支援を行っています。人は常にネットワークの中に存在してきました。この手のサービスはつまり従来のものから付加的に発展したネットワークということになります。以前までは口から発せられる言葉以上の存在ではありませんでしたが。」
「
Me 2.0: Build a Powerful Brand to Archieve Career Success」の著者もソーシャルネットワーキングサービスは就職活動の一番の近道だと認めています。
「人は機械ではなく、人に雇われるんだ。Twitterを使えば、押入ったり、必死になったりしなくても、直に人事関係者とコンタクトを取ることができる。」
ソーシャルネットワーキングは、あくまで付加的な要素であり、従来の就職活動の手法に置き換わるものではありません。また、求職中であることをTwitterでつぶやいたり、反対に求職中の学生を探すだけでも効果はありません。
「自分の興味がある違う職種に関する発言も確認することをオススメするよ。それから人事担当者や希望の会社に勤めている人を探すんだ。探し当てるだけじゃなく、交流も積極的にする。」
「仕事を探すことは、人脈を広げることに等しい。新しく募集が開始された求人情報を探す時代は終わりを告げている。自分を助けてくれるピッタリな人を探す時代なんだよ。」
Can social networking bring job hunters tweet success?Twitter Japan