法制定に関わる議員インターンシップ
日本でも議員インターンは注目を集めていますが、海外でも政治は常に人気のあるインターンシップの分野となっています。
より良いキャリアを求めて、多くのアメリカの学生が出身の州を去る一方、今回の議員インターンシップは地元の州議会で行われました。自分の住み慣れた地域でどのように法が制定されているのかという、実際の過程を体験することで、教科書から学べる以上の知識を身につけることが可能です。
ジャクリーン・フェンウィックさんは、実際にインターンシップを行うまで、法律に関する手続きや、将来自分がやりたいことも、はっきりとわからなかったと言います。現在彼女はインディアナ州立大学でパブリック・リレーションシップについて勉強していて、来年卒業を控えています。
今ジャクリーンさんの夢は膨らんでいます。
ジャクリーンさんの展望
「道は拓けていて、そこを辿ってきたの。私は州議会議員になりたいわ。」
インターンシップの現場へ通うのが楽しいと、ジャクリーンさんは説明します。
彼女が参加したインターンシップは、インディアナ州の法律を制定する会議で実施されました。2010年の参加者は、インディアナ州内の大学生や卒業生の4人で、ジャクリーンさんもそのうちの1人でした。彼女は下院の民主党議員の担当です。
他の3人は上院を担当しています。専攻は金融関係や法律であったり、心理学であったりと様々です。また、担当する議員もそれぞれ違います。
インターンの主な仕事は経済的な管理や書類の整理をしたり、他の政府組織と一緒に有権者を助けたりすることです。上院を担当する3人のうちの1人、リンゼイさんは経験を積めば積むほど政治に対する熱意がわき上がってきたと話します。
リンゼイさんの意見
「なんでかわからないけど、4歳の時大統領選に興味を持ったの。好きなことは今でも変わっていないわ。ここでは1日の間に何が起こるか予想不可能よ。ToDoリストを作成して、取りかかってはいるけど、まだ無事終わらせることができた項目はないのよ。 」
リンゼイさんはロースクールへ進学する計画を立てています。そこで法を学ぶか、ロビイストになるかは未定のようですが、いずれにせよ、政治は人が熱中するものであるという考えは変わらないようです。
「人となぜ政治に熱中するのかという話をするとき、たいていはみんなあまりはっきりした答えを持っていないの。でも、一旦足を踏み入れたら、ただ止まらなくなっちゃうのよ。」
リンゼイさんはこう説明しています。
インターン・オブ・ザ・イヤー
もう1人のインターン、ノエさんは、2008年にも民主党全国委員会でインターンをした経験を持ちます。そのため、政治分野で働く楽しさを良く心得ています。
「政治は生活と切り離せないからよ。ここで彼らが下した判断は10年、20年後の人々に影響をもたらすわ。」
と、彼女は話します。
「人は住んでいる地域の物事を良くしたいと思うものよ。それには政治の仕組みを知っていなくてはいけないわ。物事を変えることは、誰にだって可能よ。物事を良くすることはね。」
ノエさんはインターンシップの間に、インターン・オブ・ザ・イヤーの賞を、上院の民主党幹部会から受賞しました。このことで彼女は3000ドルの奨学金を手に入れ、ビジネス分野での博士号を取得する学資に充てるそうです。
「インディアナ州大学を代表してこんな賞を受け取れるとはとても光栄です。だけど私のこの成功は、州議会で実際に指導を受けたり、準備をしたりした経験があったからこそ掴むことができたものです。」
法学の視点から
残るもう1人のインターン、フリンさんは、大学を卒業した後、ロースクールへ進学するまでの期間を利用してこのインターンシップに参加しました。このインターンシップで法律のまた違った側面を見ることができればと期待していたそうです。
「法制定のことなんてほとんど理解してなかったんだなと思い知らされたわ。」
と、彼女は語ります。
「ようやく最後に見聞のある人間になれたような気がするの。そして自分が何をしたいのかわかった。」
彼女は今回の経験で、法制定の分野でも法学に関する実績を積むことができること、また、政党の幹部会に弁護士として勤めることも可能だとわかったようです。
「法学にも色々な勉強法があるわ。裁判だけが全てじゃない。」
彼女はこの後ロースクールへ進学し、法学の様々な仕事を知り、どれが一番彼女にとって良いのかを模索していくつもりだと言います。
LEGISLATIVE INTERNSHIP OPENS DOORS, POSSIBILITIES FOR STUDENTS