無給でもインターンシップは価値があるもの?
無給のインターンシップを行った経験はお持ちでしょうか?日本だとまだ少ないかもしれませんね。
海外では、就職内定者の多数が、インターンシップをきっかけにしてその企業に入っています。インターンシップ先でスキルを磨き、人脈を作り、そして憧れの仕事へ繋がる経歴を作ることが、就職活動の主要課題となっていると言っても過言ではないでしょう。
インターンシップの条件
アメリカではインターンシップを行うに当たって、政府が企業に課している条件があります。
1. 勤務先での実際の労働も含めて、インターンが職業訓練学校に等しい訓練を積むことができること
2. 訓練は、インターンに利益があるものであること
3. 既存の被雇用者のポジションにインターンが入れ替わって就くことはできない。また、インターンは監理者の元で働くこと
4. インターンの訓練で業務の遅延が時折起こることはあっても、雇用側はインターンの業務から直接的な利益を得てはいけない
5. インターンシップ終了時に、インターンが必ずその職場で就職できるとは限らない
6. インターンと雇用側の間で、インターンが訓練に費やす時間に対する報酬を得る権利がないことを明確にすること
実際には、大きな問題にならない範囲で職場によって黙認されたりしているので、これらの条件が絶対というわけではありません。インターンシップの実態はもっと複雑です。時には一線を越えなければいけない状況もあります。
特に、3番と4番に関しては、実態と食い違うことも多々起こり得ます。不景気の厳しい状況の中では、企業も常に優秀な人材を求めていますし、インターンに時間を割きたくないというのも本音です。学生も、数少ない就職のとっかかりを得ようと必死です。
法律が定めるあるべき姿と実情のギャップ
インターン側の率直な意見としては、無給のインターンシップにも高い人気がある時点ですでに問題があると言えるでしょう。自分が希望する仕事を手に入れるためなら、無給のインターンにも価値があるという考えは、とても一般的です。専門家でさえこの考えを支持しています。特にこの厳しい経済状況では、人脈と職歴がものを言うからです。
例えば、無給インターンが活発に活動している場所といえば、米国会議事堂があります。職員のツイッターでは、
「有能なインターンほどここで誇れる商品はない。まるでクローンでも見ているかのようだ。」
という発言も出るほど。そこでは、無給のインターンの実情を反映する、需要と供給の関係がすでにできあがっています。
実際に行われているインターンシップが法の条件に適していないからといって、悪いとは言えません。仮に監理者がインターンに自己判断で動くよう指示したとして、それを違法だと糾弾すれば、その人はほとんどの職場でまともにインターンシップを終えることができなくなるでしょう。
現実的な状況に、柔軟に対応できる能力こそ、インターンに求められているものです。
インターンシップの競争で生き残るためには、法の超える、実情に即した対応が必要になります。しかし、それは、法の垣根を越え、ただ働きで企業に奉仕することを意味します。
インターンシップの見返りが確保されているなら、それも必要なことかもしれません。しかし、法で就職が保証されていない以上、それは大きな賭けでもあります。
どこにボーダーラインを置くか、無給インターンは決断しなければいけません。
The Unpaid Intern's Plight: Getting Ahead in a Recession, Labor Laws Aside