新手のインターンシップ登場!
イギリスのワーナーブラザーズ・エンターテイメントは、インターネット上の著作権侵害行為を見張るために、学生をインターンシップで雇うと決定しました。このインターンシップを通じて単位を取得することができるのは、コンピュータやIT関連の分野を専攻する学生です。
このインターンシップは、年間17,500ポンド(日本円でおよそ245万円)支払われます。著作権侵害となるファイル共有と闘う企業の現場で、実践的な知識を得られるだけでなく、同級生を探ることにもなるかもしれません。
さながらネットコンテンツの諜報部員
ワーナーブラザーズ・エンターテイメントは、御存じアメリカの大手映画会社であるワーナーブラザーズのグループに属する中心企業で、スタジオやアニメーションなど、たくさんの補助的な事業と企業が集まって、大きなビジネスを形成しています。
今回この企業が提供するインターンシップに選ばれた学生には、専用のツールと知識、それに、インターネットのリンクや投稿、動画共有サイトや情報を検索する訓練を受ける機会が与えられるそうです。
また、こうして専門の知識やスキルを身につけた学生の仕事によって、違法コンテンツに警告を放ち、デジタル・ミレニアム著作権法違反や、ほかの違法コンテンツを削除する法的な手段へ移る前段階とするようです。これは、違法コンテンツの掲載者が警告に従わないようであれば、法廷での証拠としても使われます。
今回のインターンシップは、特定の大学に限定して学生を募集していたものではありませんが、マンチェスター大学の学生に多く募集がかかったようです。募集要項に記載されていた内容説明は以下の通りです。
ワーナーブラザーズの著作権などを侵害しているサイトやグループ、若しくは活動の情報を集めるため、インターネット上のローカルフォーラムと、主にチャットなどに使われるIRCサーバーの監視を行います。
監視を行うに当たって、調査対象のサービスに新しくアカウントを作るか、既存の自分のアカウントを利用します。
リンクをたどり、ワーナーブラザーズなどの著作権を侵害しているコンテンツがないかスキャンします。発見した場合、コンテンツをインターネット上から取り下げるよう警告を放ちます。
インターネットをスキャンするシステムを構築するに当たって、サービスにログインし、違法コンテンツを購入するふりをしてワナをかけるボット(自動化プログラム)の開発管理をします。
著作権侵害に対する技術開発の調査資料を定期的に作るため、裁判用に用意されている独自データベースに、必要なデータを入力していきます。
早速、反対意見も登場し…
近年、ネット上の違法コンテンツが及ぼす経済的影響が、深刻に議論され始めています。一方で、何の隔たりもなく今まで利用されてきたネットコンテンツに、このような強攻策が投じられることに、中国政府との共通点を挙げ、疑問を投げかける意見も出始めています。
このインターンシップに就く学生は、少なくともこの仕事に就くことで、一部の友達の輪から疎外されることを覚悟した方が良いかもしれません。
インターンシップは先月31日に募集が締め切られましたが、ネットコンテンツの社会的な背景も含め、まだまだ議論を呼びそうです。

Warner Bros. recruiting students to spy on file sharers
http://blogs.zdnet.com/igeneration/?p=4461Warner Bros. Online UK
http://www.warnerbros.co.uk/main/homepage/homepage.html